もふもふ

私を形作るものたちの記録

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きっかけ

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春がくるみたいです

一つの季節が始まって終わる間に
幸せなことも辛いことも
まるっと食べてしまいました
おなかいっぱい

あっという間に風化していく冬を
忘れてしまいたくないです


人間の狡い感情を知ると
世界の色は少しずつ消えていくから
綺麗な感情だと信じていたものを信じ続けていたかった

私は私が何を考えているのか
もうよくわからないのです
自分の感情はどうにも操作できなくて
泣いたり笑ったり
でも確かなことは
終わったり始まったり
絶えず変わっていくということ


四年前の私が知らなかった言葉や
二年前の私には訪れていなかった出会いや
一年前の私が願わなかった別れのような小さなきっかけが
そっと 少しずつ
私の思い描いていた未来を変えていく


四年前のある春の日がつい昨日のことのようにも思えるけれど
あの頃の自分との間に横たわる
おそろしいほど膨大な量の なにか


想像もしていない世界に行きたいよ
期待を裏切り続けてほしい
期待した通りに物事が進むなんて
退屈で
息苦しくて
ぺしゃんこのぴらぴらになってしまう


幸せはいらないよもう後で苦しくなるだけだから

なんて思っていた私が
新しい幸せを見つけて怯えている

映画

早稲田松竹で映画を見ようと思っていたけれど
今日見た夢に疲弊してしまったから
家で小説を読むことにした

映画を観るのには体力が要る
音と映像とストーリーによって
どの場面でどの程度心を動かすかということが
規定されているから

心が平坦な日は
映画による感情のアップダウンを楽しめたりするけれど
心が重たく沈みきっていて
一方で昂りながら悲鳴をあげているような日には
誰にも感情を動かされたくない
私は私のペースでさらに心を沈めていくか
明るい場所へ戻るかを決めたい

そんな時は小説を読む
悲しくてつまらない世界から僅かに逃げる
活字を追い 作者の思惑に身を委ねながらも
感動の程度は私が決める
場面が進む速度
風景の色
会話の声音
重すぎるときは軽く
軽すぎる時は重く
そうやってチューニングをしながら一冊読み終える頃には
今日の心に欠けていたものが少し埋まったような気になる

今朝見た夢に
懐かしい人がでてきた
傷つきたくないから執着がないふりをしただけで
もしかしたら自分で思っていた以上に大切だったのかもしれないと
一瞬だけ考えたけれど
そんなことも もう
遠い昔の話
思い出が美化されるなんて常
私の今とは何も繋がらない
幻のようなもの

今日は本当に
現在や未来や世界のすべてがつまらなく見えて
何をとっても
そこからのびる終わりへの道が見える
そんな日には何かに期待をするのもやめて
文字とお気に入りの曲で頭を埋める
誰かに会って笑顔を作れば
きっとまた楽しい気持ちになれることも知ってる

世界はその繰り返しで
本当につまらない

寂しいということ

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「寂しさ」という罠に陥りそうになって考えた

何かが欠けてしまったのではなく
元の状態に戻ったのだと思えば
大して悲観的にならなくて済む

不幸になったのではなくて
幸せじゃなくなった
それだけのことだ

何も持っていない私が
始まりの私なのだから

遠い遠い日の昼下がりに
合わせた肌から感じる温かさを覚えて
永遠を信じることと永遠が訪れることに相関がないことも覚えて
涙を流すことも
やがて
涙を我慢することも覚えた

蓄積される記憶

何も知らなければ何も失わないのに
何も知らないままでは幸せになれない

私は「寂しい」という言葉をゆっくりとほどいていく
その言葉の意味するところを
その理由を
得体の知れないものはいつだって
恐ろしさを孕んで人を不安にさせるから

「寂しい」という言葉の最奥にあるエゴのために
一人で苦しんでいるなんて馬鹿らしい

どうせなら
もっと前向きな言葉選びを

元気にしてるかな って

共依存

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好きなのに許せないとか
苦しいのに嫌いになれないとか

そんな感情があると聞いた

行き場のない思いが
人を傷つける力へと変質したりするのだろう

悲しくて
心が冷えるその瞬間に
愛しさが募って
途方にくれる

身体がばらばらになって
浮遊しているような気持ち

そんなものを
向ける方も
向けられる方も
なんだか苦しくて
どこへも逃げ出せなくて
お互いがお互いを
どうしようもなく必要としていることだけはわかっていて

歪んだ共依存へと

そんな話を聞きながら私は
泣いてばかりいた日々を
どうにもならなかった色々を
思い出した

どんなに足掻いても
過去と
人の気持ちは変えられないと知って
それでも
そんな不条理の存在を認めたくなくて
愛していれば
いつかは届くと思っていた


心を傷められるぐらい
大切に思う何かがあるのは
幸せなことだ
たとえ苦しくても

喪失

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喪失の予感を噛みしめるとき
震えるほど幸せ

いつか終わってしまうから
全ては愛おしい

やがて
そのいつかがやってきた時に
そっと思い出を取り出して
悲しみに身を沈められるよう

目で 耳で 指で
何もかも記憶していたいと思う
今 私の心を跳ねさせているのと
同じぐらい圧倒的な力で
いつか心を傷められるように

失って悲しいと思うことは
愛していると思うことにきっと近い

私はもう長いこと 悲しいままでいる
毎日が悲しいと思えるのは幸せなことだ
愛しているものや
かつて愛したもので溢れかえった世界

私はここが好きで
悲しみの重さで潰れそうになる肺も
そんな時に感じる軽い眩暈も
好きで
おなかの奥の奥の方が
甘く縮んで
泣きたいような笑いたいような気持ちで
過去や未来を思ったり
またふと今に立ち戻ってきたりする


そうやって滑るように日々を過ごして
もうすぐ 春

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